Brand Introduction浦霞とは?名前の由来とブランドの特徴
浦霞(うらかすみ)は、宮城県塩釜市の浦霞醸造元 株式会社佐浦が造る日本酒の銘柄です。佐浦は享保9年(1724年)に塩釜で創業した酒蔵で、本社蔵は宮城県塩釜市本町2-19にあります。酒名は、鎌倉幕府3代将軍・源実朝の和歌から取られています。
蔵は南部杜氏の技法を土台にして、低温で長い期間をかけて発酵させる酒造りを続けています。蔵の説明によれば、この造りで「ほど良い香りときれいな酒質」の酒が生まれるとのことです。全国の酒蔵で使われてきた「きょうかい12号酵母」が、浦霞の醪(もろみ)から分けて取り出された酵母であることもよく知られています。
代表銘柄は、1973年に発売されて今も造られている「純米吟醸 浦霞禅」です。最近は、12号酵母で醸す「浦霞No.12」シリーズにも力を入れています。このページでは、浦霞の読み方・名前の由来・造り手・代表的な銘柄とスペック・飲み方・買える場所・蔵見学の可否までをまとめて紹介します。
浦霞は「うらかすみ」と読みます。宮城県塩釜市の株式会社佐浦が醸す日本酒のブランドで、造り手は「浦霞醸造元」を名乗っています。塩釜という港町の名前とあわせて覚えられることの多い銘柄です。
酒名の由来は、鎌倉幕府3代将軍・源実朝の和歌「塩竈の浦の松風霞むなり 八十島かけて春やたつらむ」です。大正の終わりごろ、摂政宮(のちの昭和天皇)に献上する酒の名前を決めることになりました。そのとき、この和歌から「浦」と「霞」の2字を取って「浦霞」と名付けられました。
和歌には、塩竈の浦を渡る松風がかすみ、たくさんの島々に春が来たのだろうか、という情景が詠まれています。地元・塩竈を詠んだ歌から名前を取ったことで、土地とのつながりが酒名そのものに込められています。ラベルの「浦霞」の2文字には、こうした来歴があります。
味わいの軸になっているのは、香りが出すぎず、すっきりときれいに仕上げる造りです。代表銘柄の「純米吟醸 浦霞禅」について、蔵は「味と香りが調和し米の旨味がほど良く感じられる、飲み飽きしない食中酒」を目指したとしています。食中酒とは、食事と一緒に楽しむことを考えて造られたお酒のことです。
浦霞の個性を語るうえで欠かせないのが、きょうかい12号酵母です。この酵母はもともと浦霞の吟醸醪から分けて取り出されたもので、のちに全国の酒蔵に配られました。現在はこの酵母を使う「浦霞No.12」シリーズが、純米吟醸・純米大吟醸・生酛純米酒・スパークリングまでそろっています。
- 読み方:うらかすみ
- 造り手:浦霞醸造元 株式会社佐浦
- 産地:宮城県塩釜市
- 酒名の由来:源実朝の和歌「塩竈の浦の松風霞むなり 八十島かけて春やたつらむ」
- 代表銘柄:純米吟醸 浦霞禅(1973年発売)
酒造:浦霞醸造元 株式会社佐浦(宮城県)

Brewery浦霞の造り手・株式会社佐浦
浦霞を造る株式会社佐浦は、享保9年(1724年)に塩釜で創業しました。本社蔵は宮城県塩釜市本町2-19にあります。現在の代表は13代目蔵元の佐浦弘一さんです。
1800年代半ばには、仙台藩からの命を受けて鹽竈神社の御神酒酒屋になりました。御神酒酒屋とは、神社に供えるお酒を納める酒屋のことです。浦霞という酒名が生まれたのは大正の終わりごろで、それより前から蔵は地域の神社と深く結びついていました。
酒造りの拠点は、塩釜市の本社蔵と、宮城県東松島市の矢本蔵の2か所です。どちらも宮城県内にあり、蔵は地元の米を中心に酒を造っています。原料米については、のちほど「造りのこだわり」で詳しく紹介します。
蔵の酒質を固めたのは、昭和24年(1949年)に杜氏となった平野佐五郎です。杜氏とは、酒造りの現場をまとめる責任者のことです。蔵によると、南部杜氏の技法をもとにした低温長期発酵の造りが、平野杜氏の時代に確立されました。
Ingredients浦霞の原料米と仕込み水
1.宮城県産米(蔵の華・吟のいろは・トヨニシキ・まなむすめ・ササニシキなど)
- 使う米のおよそ90%を地元・宮城県産でまかなっています。酒造好適米の「蔵の華」「吟のいろは」と、一般米の「トヨニシキ」「まなむすめ」「ササニシキ」などを使い分けています。たとえば「純米酒 浦霞」には「まなむすめ」、「純米吟醸 浦霞No.12」には「蔵の華」が使われています。
2.山田錦(兵庫県産)
- 近年は浦霞禅の麹米に使われています。浦霞禅の麹米は、発売当初は広島八反で、昭和50年代に地元産のトヨニシキへ替わり、その後いまの山田錦になりました。浦霞禅の原料米は、山田錦とトヨニシキの組み合わせです。
3.きょうかい12号酵母
- 浦霞の吟醸醪から取り出され、昭和60年ごろから全国の酒蔵に配られた酵母です。しばらく配布が止まっていましたが、佐浦はこの酵母を使った酒造りを復活させ、「浦霞No.12」シリーズに使っています。
Featured Lineup浦霞の代表的なラインナップ
1.純米吟醸 浦霞禅
- 1973年に発売され、今も造られている浦霞の代表銘柄です。原料米は山田錦・トヨニシキ、精米歩合50%、アルコール分15度、日本酒度+2~+3、酸度1.4です。穏やかな果実のような香りと、みずみずしくほど良い旨味がある食中酒です。精米歩合は、玄米を削ったあとに残った割合のことで、50%なら外側の半分を削っています。
2.純米吟醸 浦霞No.12
- 宮城県産の酒造好適米「蔵の華」を精米歩合55%まで磨き、きょうかい12号酵母で醸します。アルコール分は15度以上16度未満です。爽やかな香り、心地よい酸味、後味のキレの良さが特長です。
3.純米大吟醸 浦霞No.12
- 12号酵母で醸す純米大吟醸です。穏やかで心地よい香り、やわらかな口当たり、後味のキレが良い上品な味わいが特長です。
4.木桶仕込み生酛純米酒 浦霞No.12
- 木の桶で仕込み、生酛造りで醸す12号酵母の純米酒です。穏やかでふくよかな蜜のような香りがあります。心地よい酸味と旨味がよく調和し、後味にキレがあります。
5.純米酒 浦霞
- 原料米は宮城県産の「まなむすめ」、精米歩合65%、アルコール分15度、日本酒度+1~+2、酸度1.3です。米の旨味と酸味が調和した、すっきりとした味わいです。日本酒度は甘口・辛口の目安で、プラスが大きいほど辛口寄りになります。酸度は酸の量の目安です。

Tasting Notes浦霞の味わい
浦霞全体に共通するのは、香りが前に出すぎず、きれいでまとまりのある味わいです。これは蔵が続けてきた低温長期発酵の造りから生まれています。代表銘柄の浦霞禅は、穏やかな果実のような香りと、みずみずしくほど良い旨味があり、日本酒度+2~+3、酸度1.4のバランスで、味と香りが調和した飲み飽きしない食中酒を目指して造られています。12号酵母で醸す浦霞No.12シリーズは、商品ごとに個性がはっきりしています。純米吟醸は爽やかな香りと心地よい酸味、純米大吟醸はやわらかな口当たりと上品なキレ、木桶仕込み生酛純米酒は蜜のようなふくよかな香りと酸味・旨味の調和が持ち味です。スパークリングの「浦霞No.12スパークリング シルバーラベル」は、果実のような穏やかな香りと、ほどよい甘味・酸味、細かな泡立ちが楽しめます。ふだんの食卓で気軽に飲むなら、米の旨味と酸味が調和したすっきり系の「純米酒 浦霞」がおすすめです。
How to Enjoyおすすめの楽しみ方
浦霞禅の商品ページでは、ロック(0~5℃)、冷して(5~10℃)、冷や(15~20℃)、ぬる燗(40℃)、上燗(45℃)、熱燗(50℃)と、幅広い温度帯をすすめています。「冷や」は冷蔵庫で冷やした状態ではなく、常温くらいの温度を指す言葉です。まずは5~10℃に冷やして香りのきれいさを確かめ、次に常温、さらに40℃前後のぬる燗と、温度を上げながら飲み比べると、米の旨味の感じ方の違いがよくわかります。燗をつけるときは、徳利ごと湯せんにかけるとむらなく温まります。爽やかな香りとキレが持ち味の浦霞No.12シリーズやスパークリングは、冷やして香りを楽しむのに向いています。保存するときは、光を遮り、温度変化の少ない涼しい場所に置き、できれば冷蔵庫に入れてください。なるべく1年以内に飲むのがよく、生酒は冷蔵での保管が欠かせません。お酒は20歳になってから、自分のペースで楽しんでください。
Food Pairing相性の良い料理
浦霞禅のように香りが穏やかで旨味がほど良い食中酒は、素材の味を活かした和食と合わせやすいお酒です。白身魚の刺身や塩焼き、だしの効いた煮物と合わせると、料理の風味を邪魔せずに食事が進みます。ぬる燗にすると米の旨味がふくらむので、湯豆腐やおでんのような温かい料理にも寄り添います。(料理の組み合わせは当サイトのおすすめです) 爽やかな酸味とキレのある純米吟醸 浦霞No.12は、酢の物やカルパッチョ、柑橘を搾った焼き魚など、さっぱりした料理と相性が良いと考えます。蜜のような香りと酸味のある木桶仕込み生酛純米酒 浦霞No.12は、照り焼きや味噌を使った料理など、甘辛くしっかりした味つけにも負けません。細かな泡のスパークリング シルバーラベルは、乾杯の一杯として、前菜やチーズと合わせるのもおすすめです。(料理の組み合わせは当サイトのおすすめです)
Craftsmanship浦霞の造りのこだわり:低温長期発酵・宮城県産米・12号酵母
浦霞の造りの土台は、南部杜氏の技法です。南部杜氏は日本の杜氏の流派のひとつです。蔵はこの技法をもとに、低い温度で長い期間をかけて発酵させる造りを続けています。
発酵の温度を低くすると、酵母はゆっくり働きます。そのため、香りや味の出方を細かく調えやすくなります。蔵はこの造りによって「ほど良い香りときれいな酒質」の酒になるとしています。
原料米は地元のものを大切にしています。蔵によると、使う米のおよそ90%が宮城県産です。酒造りに向く酒造好適米の「蔵の華」「吟のいろは」、ふだん食べられている一般米の「トヨニシキ」「まなむすめ」「ササニシキ」などを使い分けています。
浦霞禅の麹米(こうじまい)には、近年は兵庫県産の山田錦を使っています。麹米は、麹(こうじ)づくりに使う米で、蒸した米に麹菌を育てて、でんぷんを糖に変える働きを持たせたものです。浦霞禅の麹米は、発売当初は広島八反でしたが、昭和50年代に地元産のトヨニシキに替わり、その後いまの山田錦になりました。
きょうかい12号酵母は、昭和40年ごろ、宮城県酒造協同組合醸造試験所の技師が浦霞の吟醸醪から取り出した酵母です。酵母とは、糖をアルコールと香りの成分に変える微生物のことです。醪(もろみ)は、タンクの中で米・麹・水・酵母がまざって発酵している状態のものを指します。
12号酵母は、昭和60年ごろから全国の酒蔵に配られるようになりました。その後しばらく配布が止まっていましたが、佐浦はこの酵母を使った酒造りを復活させています。自分の蔵から生まれた酵母でもう一度酒を造る取り組みが、「浦霞No.12」シリーズです。
No.12シリーズには「木桶仕込み生酛純米酒」もあります。木桶仕込みは、木の桶で酒を仕込むことです。生酛(きもと)は、酒母(しゅぼ:酵母を大きく増やすための元になる液)を、自然の乳酸菌の働きを使って造る昔ながらの方法です。

Information浦霞(佐浦)の基本情報:所在地・酒ギャラリー・蔵見学
本社蔵と同じ住所(宮城県塩釜市本町2-19)に、直営店「浦霞 酒ギャラリー」があります。ここでは、宮城県内限定や季節限定の商品も扱っています。浦霞を確実に手に入れたい人や、地元でしか買えない酒を探している人に向いたお店です。
酒ギャラリーには、コイン式のきき酒サーバーがあります。何種類かを少しずつ飲み比べて、自分の好みに合う1本を選べます。車で行く場合は運転する人は試飲せず、お酒は20歳になってから楽しんでください。
蔵見学は行っていません。スタッフが蔵の外観を案内する「蔵ガイド」も、当面は休止しています。訪れる前に、最新の案内を公式サイトで確認しておくと安心です。
直営店以外での取り扱いや最新の商品情報も、公式サイトで確かめるのが確実です。通販で探すときは「浦霞 日本酒」や、「浦霞禅」「浦霞No.12」のような商品名で検索すると見つけやすくなります。
- 蔵元:浦霞醸造元 株式会社佐浦(享保9年/1724年創業)
- 本社蔵所在地:宮城県塩釜市本町2-19
- そのほかの蔵:矢本蔵(宮城県東松島市)
- 公式サイト:https://www.urakasumi.com/
- 直営店:浦霞 酒ギャラリー(本社蔵と同じ住所、コイン式きき酒サーバーあり)
- 蔵見学:行っていません(外観を案内する「蔵ガイド」も当面休止中)
公式サイト:https://www.urakasumi.com/
FAQ浦霞のよくある質問
浦霞の読み方は?どこのお酒ですか?
「うらかすみ」と読みます。宮城県塩釜市の浦霞醸造元 株式会社佐浦が造る日本酒です。佐浦は享保9年(1724年)に塩釜で創業した酒蔵で、本社蔵は塩釜市本町2-19、ほかに宮城県東松島市にも矢本蔵があります。
浦霞の名前の由来は?
鎌倉幕府3代将軍・源実朝の和歌「塩竈の浦の松風霞むなり 八十島かけて春やたつらむ」が由来です。大正の終わりごろ、摂政宮(のちの昭和天皇)に献上する酒の名前として、この歌から「浦」と「霞」の字を取って名付けられました。
浦霞禅はどんな味ですか?スペックとおすすめの温度は?
1973年に発売された純米吟醸で、穏やかな果実のような香りと、みずみずしくほど良い旨味がある食中酒です。原料米は山田錦・トヨニシキ、精米歩合50%、アルコール分15度、日本酒度+2~+3、酸度1.4です。商品ページでは、ロック(0~5℃)から冷して(5~10℃)、冷や(15~20℃)、ぬる燗(40℃)、上燗(45℃)、熱燗(50℃)まで、幅広い温度帯をすすめています。
きょうかい12号酵母とは何ですか?
昭和40年ごろ、宮城県酒造協同組合醸造試験所の技師が浦霞の吟醸醪から取り出した酵母で、昭和60年ごろから全国の酒蔵に配られました。しばらく配布が止まっていましたが、佐浦はこの酵母を使う酒造りを復活させ、「浦霞No.12」シリーズとして造っています。
浦霞のおすすめ銘柄は?
最初の1本には、蔵の代表銘柄「純米吟醸 浦霞禅」がおすすめです。12号酵母の個性を味わうなら、爽やかな香りとキレのある「純米吟醸 浦霞No.12」がよいでしょう。ほかに、上品な「純米大吟醸 浦霞No.12」、蜜のような香りの「木桶仕込み生酛純米酒 浦霞No.12」、すっきりとした「純米酒 浦霞」もあります。
浦霞の蔵見学はできますか?どこで買えますか?
蔵見学は行っていません。蔵の外観をスタッフが案内する「蔵ガイド」も、当面は休止しています。本社蔵と同じ住所(宮城県塩釜市本町2-19)の直営店「浦霞 酒ギャラリー」では、宮城県内限定や季節限定の商品も買え、コイン式のきき酒サーバーで試飲もできます。そのほかの取り扱いは、公式サイト(https://www.urakasumi.com/)で確認してください。
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