Brand Introduction司牡丹とは?読み方・名前の由来と味わいの特徴
司牡丹(つかさぼたん)は、高知県高岡郡佐川町の司牡丹酒造株式会社が造る日本酒の銘柄です。蔵の創業は慶長8年(1603年)で、江戸時代のはじめにさかのぼる歴史を持っています。
「司牡丹」という名前は、佐川出身の維新の志士で、明治政府の宮内大臣を務めた田中光顕伯爵が名付けました。蔵によると、そこには「牡丹は百花の王、さらに牡丹の中の司たるべし」という意味が込められています。花の王である牡丹の中でも、さらに上に立つ存在であれ、という願いが込められた名前です。
味わいの面では、蔵が紹介する主な純米酒の日本酒度(甘口か辛口かの目安で、プラスが大きいほど辛口寄り)は+5〜+7前後で、辛口寄りの酒が中心です。純米酒「司牡丹・仁淀ブルー」は穏やかな香りと柑橘のような酸を持つすっきりとした辛口、「龍馬からの伝言」は超辛口とされています。冷やしても燗をつけても楽しめる酒がそろっています。
このページでは、司牡丹の読み方と産地、名前の由来、蔵の歴史、代表的な銘柄、受賞歴、おすすめの飲み方、買える場所までを一つにまとめました。初めて司牡丹を選ぶ方にも、もう一度その背景を知りたい方にも役立つように、取材した情報をもとに整理しています。
司牡丹は「つかさぼたん」と読みます。高知県の中西部にある高岡郡佐川町で造られている日本酒で、造り手は司牡丹酒造株式会社です。銘柄名と蔵の名前が同じなので、「司牡丹」と言えばこの蔵の酒全体を指すことが多くなっています。
名付け親は、佐川出身の維新の志士で、のちに明治政府の宮内大臣を務めた田中光顕伯爵です。蔵は、この名前に「牡丹は百花の王、さらに牡丹の中の司たるべし」という意味が込められているとしています。「司」には、その世界を取りまとめる者という意味があり、王の花のなかでも頂点を目指すという強い志が表れた名前です。
味わいの特徴は、辛口寄りで後味がキレることです。蔵が紹介する主な純米酒では、日本酒度が「仁淀ブルー」で+6、「龍馬からの伝言」で+7前後、「かまわぬ」で+6前後、「永田農法純米酒」で+5前後と、いずれもプラス側です。酸度(味の引き締まりや厚みに関わる酸の量の目安)は1.4〜1.7前後で、すっきりとした酒から骨太な酒まで幅があります。
そのため、ひと口に司牡丹といっても表情はさまざまです。柑橘のような酸を持つ軽快な辛口の「仁淀ブルー」、骨太でサラリと切れる超辛口の「龍馬からの伝言」、伝統的な生酛造りの「かまわぬ」、10年寝かせた純米大吟醸の古酒「源十」など、造り方の違いがそのまま味の違いになっています。好みや飲む場面に合わせて選べるのが、司牡丹の楽しさです。
受賞歴も多く、全国新酒鑑評会では令和6酒造年度(酒造りの年度)に第一製造場・第二製造場の両方が金賞を受賞しました。全国燗酒コンテスト2024のお値打ちぬる燗部門では「豊麗司牡丹」が最高金賞を受けています。大吟醸「司牡丹・黒金屋」は、IWC2024 SAKE部門の大吟醸部門でシルバー、全米日本酒歓評会2024の大吟醸部門で金賞を受賞しています。
- 読み方:つかさぼたん
- 産地:高知県高岡郡佐川町
- 造り手:司牡丹酒造株式会社
- 名付け親:田中光顕伯爵(佐川出身の維新の志士、明治政府の宮内大臣)
- 味わいの傾向:主な純米酒は日本酒度+5〜+7前後の辛口寄り
酒造:司牡丹酒造株式会社(高知県)

Brewery司牡丹の造り手・司牡丹酒造の歴史
司牡丹酒造の始まりは、慶長8年(1603年)にさかのぼります。蔵によると、この年に深尾和泉守重良が佐川1万石を預かった際、従ってきた商家の中に「御酒屋」があり、これが司牡丹酒造の前身とされています。城下町として整えられていく佐川の町とともに、酒造りの歴史が始まりました。
時代が大きく動いたのは大正7年(1918年)です。この年、佐川の酒造家が結集し、近代企業として株式会社を設立しました。株式会社としての設立日は大正7年11月30日です。地域の酒造家が力を合わせて一つの会社になったことが、今の司牡丹酒造の土台になっています。
現在の司牡丹酒造は、第一製造場と第二製造場の二つの製造場を持っています。令和6酒造年度の全国新酒鑑評会では、この両方の製造場が金賞を受賞しました。一つの蔵の二つの製造場がそろって評価されたことは、蔵全体の造りの水準を示す実績といえます。
司牡丹酒造が手がけるのは日本酒だけではありません。本格焼酎の「いごっそう」や「司白鷺」、リキュールの「柚子の大バカ十八年」、スピリッツの「マキノジン」なども造っています。「いごっそう」は土佐の言葉で、気骨のある頑固者を指す言葉として知られており、高知の蔵らしい名前です。
また、日本酒の造りでも伝統の掘り起こしに取り組んできました。平成7酒造年度には山廃造りを40年ぶりに復活させ、平成27酒造年度にはより本格的な生酛造りに挑んでいます。長い歴史を持つ蔵が、古い技を今の酒に生かしている点も、司牡丹酒造の特徴です。
- 創業:慶長8年(1603年)、佐川の「御酒屋」が前身
- 株式会社設立:大正7年(1918年)11月30日、佐川の酒造家が結集
- 製造場:第一製造場・第二製造場
- 日本酒以外の商品:本格焼酎(いごっそう、司白鷺など)、リキュール(柚子の大バカ十八年など)、スピリッツ(マキノジン)
Ingredients司牡丹の原料米と仕込み水
1.永田農法の米(山田錦・土佐錦)
- 永田農業研究所の永田照喜治氏が開発した永田農法は、農薬・肥料・水を最小限に抑え、植物本来の生命力を引き出す農法です。司牡丹は、この農法で育てた四万十町(旧窪川町地域)産の山田錦と土佐錦を「司牡丹<永田農法>純米酒」に使っています。
2.高知県産山田錦(永田農法)
- 生酛造りの純米酒「かまわぬ」は、永田農法による高知県産山田錦だけで造られています。山田錦は酒造りに向く代表的な酒米で、精米歩合65%で仕込まれています。
3.協会7号酵母
- 日本醸造協会が頒布する協会酵母の一つです。純米酒「司牡丹・仁淀ブルー」で、司牡丹の純米酒として初めて採用されました。
Featured Lineup司牡丹の代表的なラインナップ
1.司牡丹・仁淀ブルー
- 司牡丹の純米酒で初めて協会7号酵母を使った純米酒です。火入れは1回で、0℃以下で貯蔵しています。穏やかな香りと柑橘のような酸を持つ、すっきりとした辛口です(精米歩合65%、日本酒度+6、酸度1.7、アルコール分16〜17度)。
2.龍馬からの伝言「日本を今一度せんたくいたし申候」
- 超辛口の純米酒です。骨太な味わいとサラリとした後キレが特徴です(精米歩合65%、日本酒度+7前後、酸度1.5前後、アルコール分15度以上16度未満)。
3.かまわぬ
- 生酛造りの純米酒です。原料米は全量が永田農法による高知県産山田錦です(精米歩合65%、日本酒度+6前後、酸度1.7前後、アルコール分15〜16度)。
4.司牡丹<永田農法>純米酒
- 永田農法で育てた四万十町(旧窪川町地域)産の山田錦と土佐錦を使った純米酒です。蔵は涼冷え・常温・ぬる燗を勧めています(精米歩合は酒母・麹米65%、掛米70%、日本酒度+5前後、アルコール分15度以上16度未満)。
5.源十
- 10年の時をかけて眠らせた純米大吟醸の10年古酒です(精米歩合は麹米・掛米とも45%、日本酒度+5前後、酸度1.4前後、アルコール分17度以上18度未満)。

Tasting Notes司牡丹の味わい
司牡丹は、全体として辛口寄りで後味のキレがよい酒が中心です。蔵が紹介する主な純米酒の日本酒度は+5〜+7前後で、いずれもプラス側にあります。なかでも「仁淀ブルー」は穏やかな香りと柑橘のような酸を持つすっきりとした辛口、「龍馬からの伝言」は骨太な味わいとサラリとした後キレを持つ超辛口です。一方で、生酛造りの「かまわぬ」は酸度1.7前後と酸がしっかりしており、10年古酒の「源十」は長い熟成を経た純米大吟醸と、同じ辛口寄りでも味の幅は広くなっています。すっきりした辛口が好きな方は「仁淀ブルー」、より辛さとキレを求める方は「龍馬からの伝言」、深みのある味を楽しみたい方は「かまわぬ」や「源十」から選ぶとよいでしょう。
How to Enjoyおすすめの楽しみ方
司牡丹は、温度を変えて楽しめる酒が多い銘柄です。蔵は「司牡丹<永田農法>純米酒」について、涼冷え(15℃程度)、常温(20℃程度)、ぬる燗(40℃程度)を勧めています。少し冷やすとキレが際立ち、常温では米の味わいが感じやすくなり、ぬる燗ではふくらみが出るなど、同じ酒でも温度で表情が変わります。燗酒での評価も高く、全国燗酒コンテスト2024のお値打ちぬる燗部門では「豊麗司牡丹」が最高金賞を受賞しました。ぬる燗にするときは、徳利ごと湯せんにかけてゆっくり温めると、温度を調整しやすくなります。0℃以下で貯蔵されている「仁淀ブルー」は、まず冷やしてすっきりした辛口と柑橘のような酸を味わうのが当サイトのおすすめです。生酛造りの「かまわぬ」は、冷やと燗の両方で飲み比べてみると、酸の感じ方の違いがわかりやすくなります。お酒は20歳になってから、適量を楽しんでください。
Food Pairing相性の良い料理
柑橘のような酸を持つ「仁淀ブルー」は、高知の名物として知られるカツオのたたきに柚子やすだちを搾ったものや、白身魚の刺身と合わせると、酒の酸と柑橘の香りがよくなじみます。サラリと切れる超辛口の「龍馬からの伝言」は、天ぷらや唐揚げなどの揚げ物と合わせると、口の中の油をすっきり流してくれます。酸がしっかりした生酛造りの「かまわぬ」は、ぬる燗にして煮物や味噌を使った料理、焼き鳥のたれなど、うま味や甘みのある料理と合わせるのがおすすめです。10年古酒の「源十」は、熟成したチーズや干物など、うま味が凝縮した肴と少しずつ味わうと、長い熟成による深みを楽しめます。(料理の組み合わせは当サイトのおすすめです)
Craftsmanship司牡丹の造りのこだわり(永田農法の米・生酛造り・協会7号酵母)
司牡丹の造りで目を引くのが、永田農法で育てた米の使用です。永田農法は、永田農業研究所の永田照喜治氏が開発した農法で、農薬・肥料・水を最小限に抑え、植物本来の生命力を引き出すことを目指しています。司牡丹は、この農法で育てた四万十町(旧窪川町地域)産の山田錦と土佐錦を使っています。
この米で造られるのが「司牡丹<永田農法>純米酒」です。精米歩合(玄米を削って残った割合のことで、数字が小さいほどよく磨いた米)は、酒母と麹米が65%、掛米が70%です。酒母は酒のもとになる酵母を育てる工程、麹米は麹にする米、掛米は仕込みでそのまま加える米のことで、それぞれに合わせて磨き方を変えています。
伝統的な酒母づくりへの取り組みも、司牡丹の大きな柱です。生酛(きもと)造りは、自然の乳酸菌の働きを生かして時間をかけて酒母を育てる昔ながらの方法で、山廃造りはその工程の一部を省いた方法です。司牡丹は平成7酒造年度に山廃造りを40年ぶりに復活させ、平成27酒造年度にはより本格的な生酛造りに挑みました。
その成果が生酛造りの純米酒「かまわぬ」です。原料米は全量が永田農法による高知県産山田錦で、精米歩合65%、日本酒度+6前後、酸度1.7前後、アルコール分15〜16度です。米の育て方から酒母の造り方まで、手間のかかる方法を選んで仕上げた一本です。
酵母の選び方にも工夫があります。純米酒「司牡丹・仁淀ブルー」では、司牡丹の純米酒として初めて協会7号酵母を使いました。協会酵母は日本醸造協会が頒布している酵母で、7号は穏やかな香りの酒になりやすい酵母として知られています。
「仁淀ブルー」は火入れ(品質を保つための加熱処理)を1回にとどめ、0℃以下で貯蔵しています。火入れの回数を抑え、低い温度で保つことで、酒のみずみずしさを残す狙いがあると考えられます。仕上がりは、穏やかな香りと柑橘のような酸を持つ、すっきりとした辛口です。
時間をかけて熟成させる酒もあります。「源十」は、10年の時をかけて眠らせた純米大吟醸の10年古酒です。精米歩合は麹米・掛米とも45%で、日本酒度+5前後、酸度1.4前後、アルコール分17度以上18度未満と、しっかりとした造りになっています。
- 永田農法:農薬・肥料・水を最小限に抑え、植物本来の生命力を引き出す農法
- 原料米:四万十町(旧窪川町地域)産の山田錦・土佐錦(永田農法)
- 生酛・山廃:平成7酒造年度に山廃造りを40年ぶりに復活、平成27酒造年度に本格的な生酛造りへ
- 酵母:「仁淀ブルー」で司牡丹の純米酒として初めて協会7号酵母を使用
- 熟成:純米大吟醸の10年古酒「源十」

Information司牡丹酒造の基本情報(所在地・公式サイト・ギャラリーほてい)
司牡丹酒造株式会社の所在地は、高知県高岡郡佐川町甲1299番地です。最新の商品情報や受賞歴は、公式サイトで確認できます。
蔵の酒にふれられる場所として、アンテナショップ「TSUKASABOTAN SAKE GALLERY ほてい」があります。昭和初期に料亭だった建物を平成8年6月に復活させたもので、司牡丹のショールーム・酒ギャラリーとして使われています。公式ページには住所・営業時間・試飲の有無の記載がないため、訪問する前に蔵へ問い合わせることをおすすめします。
司牡丹を買いたい場合は、上記のアンテナショップのほか、司牡丹を扱う酒販店や通販サイトで探す方法があります。銘柄によって扱いのある店が異なるため、「仁淀ブルー」「かまわぬ」など商品名で探すと見つけやすくなります。取り扱い店については、公式サイトや蔵への問い合わせで確認してください。
- 会社名:司牡丹酒造株式会社
- 所在地:高知県高岡郡佐川町甲1299番地
- 創業:慶長8年(1603年)
- 設立:大正7年(1918年)11月30日
- 公式サイト:https://www.tsukasabotan.co.jp/
- アンテナショップ:TSUKASABOTAN SAKE GALLERY ほてい(住所・営業時間・試飲の有無は公式ページに記載なし。訪問前に要確認)
公式サイト:https://www.tsukasabotan.co.jp/
FAQ司牡丹のよくある質問
司牡丹の読み方は?どこのお酒ですか?
司牡丹は「つかさぼたん」と読みます。高知県高岡郡佐川町の司牡丹酒造株式会社が造る日本酒で、蔵の所在地は高知県高岡郡佐川町甲1299番地です。
司牡丹の名前の由来は?田中光顕とはどんな関係ですか?
名付け親は、佐川出身の維新の志士で、明治政府の宮内大臣を務めた田中光顕伯爵です。蔵によると、「牡丹は百花の王、さらに牡丹の中の司たるべし」という意味が込められています。
司牡丹酒造の創業はいつですか?どんな歴史がありますか?
創業は慶長8年(1603年)です。深尾和泉守重良が佐川1万石を預かった際に従ってきた商家の中にあった「御酒屋」が前身とされ、大正7年(1918年)に佐川の酒造家が結集して株式会社を設立しました。
司牡丹は辛口ですか?おすすめの銘柄は?
蔵が紹介する主な純米酒は日本酒度+5〜+7前後で、辛口寄りの酒が中心です。すっきりした辛口の「司牡丹・仁淀ブルー」、超辛口の「龍馬からの伝言」、生酛造りの「かまわぬ」、永田農法の米を使った「司牡丹<永田農法>純米酒」、10年古酒の「源十」などが代表的な銘柄です。
司牡丹にはどんな受賞歴がありますか?
全国新酒鑑評会では、令和6酒造年度に第一製造場・第二製造場の両方が金賞を受賞しました。全国燗酒コンテスト2024のお値打ちぬる燗部門では「豊麗司牡丹」が最高金賞、「司牡丹・黒金屋」はIWC2024の大吟醸部門でシルバー、全米日本酒歓評会2024の大吟醸部門で金賞を受賞しています。
司牡丹のおすすめの飲み方は?どこで買えますか?
蔵は「司牡丹<永田農法>純米酒」について、涼冷え(15℃程度)、常温(20℃程度)、ぬる燗(40℃程度)を勧めており、燗酒としての評価も高い銘柄です。購入できる場所には、アンテナショップ「TSUKASABOTAN SAKE GALLERY ほてい」のほか、取り扱いのある酒販店や通販があります。ほていの営業時間などは公式ページに記載がないため、訪問前に確認してください。
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