Brand Introduction黒龍とは?名前の由来と銘柄の特徴
黒龍(こくりゅう/KOKURYU)は、福井県吉田郡永平寺町の黒龍酒造株式会社が造る日本酒の銘柄です。蔵の始まりは1804年(文化元年)で、銘柄名は九頭竜川の古い名前「黒龍川」にちなんでいます。
黒龍酒造は1970年に「COLD KOKURYU」を発売し、日本酒を冷やして飲む楽しみ方を提案しました。1975年には、ワインの熟成を応用した「黒龍 大吟醸 龍」を全国に先駆けて発売しています。仕込み水には、白山山系の雪解け水が地層で磨かれた九頭竜川の伏流水を使っています。
この記事では、黒龍の読み方や産地といった基本から、「大吟醸 龍」「いっちょらい」「石田屋」など代表的な商品の違いまでを紹介します。買える場所、飲み方と保存のしかた、蔵のある地域を訪ねるときの情報もまとめました。内容は、黒龍酒造の公式サイトで確かめられる事実をもとにしています。
黒龍は「こくりゅう」と読みます。ローマ字では KOKURYU と書き、福井県吉田郡永平寺町の黒龍酒造株式会社が醸す日本酒のブランドです。蔵は仕込み水に、地元を流れる九頭竜川の伏流水を使っています。
銘柄名は、九頭竜川の古い名前「黒龍川」にちなんでいます。蔵が1894年に「水野酒造場」として営業していた頃の資料に、すでに銘柄「黒龍」の記録があります。地元の川の名前を受け継いでいることが、黒龍というブランドの出発点です。
黒龍の歩みで目立つのは、冷やして飲む日本酒と、熟成させた大吟醸を早くから打ち出してきたことです。1970年に「COLD KOKURYU」で冷やして飲む楽しみ方を提案し、1975年には「黒龍 大吟醸 龍」と「黒龍 いっちょらい」を発売しました。「いっちょらい」は、福井の方言で一張羅(いちばん上等な晴れ着)を意味します。
「黒龍と九頭龍は何が違うのか」と迷う方もいます。九頭竜川は蔵の仕込み水のもとになっている川の名前で、黒龍はその川の古い呼び名「黒龍川」から名付けた銘柄名です。「九頭龍」という名前の商品については、この記事では詳しい情報を確かめられていないため、特約店か黒龍酒造の公式サイトで確認してください。
2018年には「無二」を発売し、日本酒業界で初めての入札会を開きました。定番の吟醸酒から、限定の熟成酒、生酒、季節限定の純米大吟醸まで、幅広い商品があるのも黒龍の特徴です。公式サイトの商品紹介では、どの商品も飲み方として「冷やして」を勧めています。
酒造:黒龍酒造株式会社(福井県)

Brewery黒龍の造り手・黒龍酒造
黒龍酒造の始まりは1804年(文化元年)です。石田屋二左衛門が石田屋本家から分家し、現在の永平寺町松岡春日で酒造業を始めました。限定品の「黒龍 石田屋」は屋号の「石田屋」から、「黒龍 二左衛門」は初代蔵元の名前から名付けられています。
1894年には「水野酒造場」として営業していたことが記録に残っています。会社の創立は1948年(昭和23年)4月で、1963年に現在の「黒龍酒造株式会社」に組織を変えました。2005年には、8代目蔵元の水野直人氏が代表取締役社長に就いています。
設備の面では、1994年に醸造蔵「龍翔蔵」、2017年に醸造蔵「正龍蔵」が完成しました。醸造蔵とは、お酒を実際に仕込み、発酵させる建物のことです。2005年には「兼定島 酒造りの里」を建て、原酒を低い温度で熟成させる体制を整えました。
2022年6月には、グループの石田屋二左衛門株式会社が、お酒を核に福井や北陸の文化を発信する複合施設「ESHIKOTO」を開きました。創業時の屋号と初代の名前を受け継ぐ会社が、酒造り以外でも地域の文化とのつながりを形にした取り組みです。
- 1804年(文化元年):石田屋二左衛門が永平寺町松岡春日で酒造業を始める
- 1894年:「水野酒造場」として営業し、銘柄「黒龍」の記録が残る
- 1948年4月:会社創立/1963年:黒龍酒造株式会社に組織を変える
- 1970年:「COLD KOKURYU」を発売
- 1975年:「黒龍 大吟醸 龍」「黒龍 いっちょらい」を発売
- 1994年:醸造蔵「龍翔蔵」が完成
- 2005年:「兼定島 酒造りの里」を建設/水野直人氏が代表取締役社長に就任
- 2017年:醸造蔵「正龍蔵」が完成
- 2018年:「無二」を発売し、日本酒業界で初めての入札会を開く
- 2022年6月:グループの石田屋二左衛門株式会社が「ESHIKOTO」を開く
Ingredients黒龍の原料米と仕込み水
1.九頭竜川の伏流水
- 仕込み水です。白山山系の雪解け水が地層で磨かれた、軟らかくしなやかな軟水だと蔵は説明しています。
2.山田錦(兵庫県東条産など)
- 石田屋・二左衛門・しずく・八十八号など上位の商品に、精米歩合35%で使われています。「大吟醸 龍」には兵庫県産山田錦を精米歩合40%で使っています。
3.五百万石(福井県産)
- 定番の「いっちょらい」(吟醸・純吟)や、季節限定の「黒龍 五百万石」に使われている福井県産の酒米です。
4.さかほまれ(福井県産)
- 福井生まれの酒米です。冬の季節限定「黒龍 さかほまれ」に精米歩合50%で使われています。
Featured Lineup黒龍の代表的なラインナップ
1.黒龍 大吟醸 龍
- ワインの熟成を応用し、1975年に全国に先駆けて発売したロングセラーの大吟醸酒です。兵庫県産山田錦を精米歩合40%で使い、日本酒度+3.0、アルコール分16度です。
2.黒龍 いっちょらい 吟醸
- 「いっちょらい」は福井の方言で一張羅のことです。福井県産五百万石を精米歩合55%で使った定番の吟醸酒で、日本酒度+5.5、アルコール分15.5度です。
3.黒龍 いっちょらい 純吟
- 福井県産五百万石の旨みを生かした定番の純米吟醸酒です。精米歩合55%、日本酒度+3.0、アルコール分15.5度です。
4.黒龍 石田屋
- 純米大吟醸酒を低温で熟成させた限定品で、名前は屋号「石田屋」から来ています。兵庫県東条産山田錦を精米歩合35%で使い、日本酒度+3.0、アルコール分16度です。
5.黒龍 二左衛門
- 独自の方法で熟成させた純米大吟醸酒の限定品で、名前は初代蔵元「二左衛門」から来ています。兵庫県東条産山田錦を精米歩合35%で使い、アルコール分16度です。

Tasting Notes黒龍の味わい
黒龍の味わいについて、蔵は「黒龍 大吟醸」を「ふくよかな香りと透明な喉ごし」と表現しています。「いっちょらい 純吟」は、福井県産五百万石の旨みを生かした純米吟醸酒とされています。日本酒度(甘口・辛口の目安で、プラスが大きいほど辛口寄りとされる数値)は、主な商品で+2.0〜+5.5とプラス側にあり、もっとも高いのは「いっちょらい 吟醸」の+5.5です。軟水の伏流水で仕込み、冷やして飲むことを勧めていることも考え合わせると、当サイトでは、香りを楽しみながらすっきり飲み進められる酒質だと考えています。
How to Enjoyおすすめの楽しみ方
公式サイトの商品紹介では、黒龍の各商品の飲み方として「冷やして」を勧めています。冷蔵庫で冷やしてからグラスに注ぎ、少しずつ温度が上がるにつれて変わる香りを確かめるのも楽しみ方の一つです。公式サイトでは、プロダクトデザイナーの深澤直人氏が黒龍を飲むためにデザインした冷酒グラス「黒龍 酒杯」も紹介しています。保存について、生酒は冷蔵で保存し、製造年月から3ヶ月以内に飲むよう勧めています。火入れ酒(加熱殺菌したお酒)を冷蔵保存した場合は、製造年月から6ヶ月を品質保持期間としています。開栓後は冷蔵庫に入れ、できるだけ早く飲んでください。ヴィンテージ表示のある商品を好みで6ヶ月以上熟成させる場合は、-5℃〜0℃の氷温®での保管を勧めています。お酒は20歳になってから、飲み過ぎに気をつけて楽しんでください。
Food Pairing相性の良い料理
香りの華やかな「大吟醸 龍」や「黒龍 大吟醸」は、白身魚の刺身や昆布締め、塩で食べる天ぷらなど、素材の味を生かした料理と合わせると香りを邪魔しません。五百万石の旨みを生かした「いっちょらい 純吟」は、焼き魚や出汁の利いた煮物、湯豆腐のような穏やかな味の料理とよくなじみます。日本酒度+5.5の「いっちょらい 吟醸」は、鶏の塩焼きや魚のカマ焼きなど脂のある料理と合わせると、口の中をすっきりさせてくれます。熟成させた「石田屋」や「二左衛門」は、食事の終わりにグラスだけでゆっくり香りを味わうのもおすすめです。(料理の組み合わせは当サイトのおすすめです)
Craftsmanship黒龍の造りのこだわり(水・米・熟成)
黒龍の仕込み水は、九頭竜川の伏流水です。伏流水とは、川の水が地下の砂や石の層にしみ込んで流れている水のことです。蔵は、白山山系の雪解け水が地層で磨かれた、軟らかくしなやかな軟水だとしています。
軟水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが少ない水のことです。一般に、軟水で仕込むと発酵がゆっくり進み、口当たりのやわらかいお酒になりやすいといわれます。蔵が「黒龍 大吟醸」の喉ごしを「透明」と表現していることも、この水と合わせて読むと納得しやすいでしょう。
原料米は商品ごとに使い分けています。石田屋・二左衛門・しずく・八十八号といった上位の商品には、兵庫県東条産などの山田錦を精米歩合35%で使っています。精米歩合は、玄米をどれだけ残したかを示す割合で、35%なら外側の65%を削ったことになります。
定番の「いっちょらい」(吟醸・純吟)と季節限定の「黒龍 五百万石」には、福井県産の五百万石を使っています。冬の季節限定「黒龍 さかほまれ」には、福井生まれの酒米「さかほまれ」を精米歩合50%で使っています。春の季節限定「黒龍 吟風」は北海道産の吟風を使い、寒仕込み(気温の低い冬の時期に仕込むこと)で醸します。
黒龍のもう一つの柱が熟成です。「黒龍 大吟醸 龍」は1975年にワインの熟成を応用して生まれたお酒で、2005年には「兼定島 酒造りの里」で原酒を低い温度で熟成させる体制を整えました。限定品では、「黒龍 石田屋」が純米大吟醸を低温で熟成させたもの、「黒龍 二左衛門」が独自の方法で熟成させた純米大吟醸です。
熟成とは別の方向の商品もあります。「黒龍 しずく」は山田錦をじっくり低温で発酵させた大吟醸です。「黒龍 火いら寿」は純米大吟醸の生酒(加熱殺菌をしていないお酒)で、名前は明治初期の生酒に使っていた「火いら寿」の版木からとっています。
「黒龍 八十八号」は、年に一度だけ醸す大吟醸です。出来の良い出品用の原酒を、縁起の良い「八十八号」タンクに集めたことが名前の由来です。限られた原酒を選び抜いて一本にまとめる、という造り方が名前に表れています。
お酒を届ける段階の管理にも取り組んでいます。王冠・キャップや化粧箱に印字した2次元コードとRFID(電波で情報を読み取るタグ)を使い、トレーサビリティ(商品がどの経路で届いたかをたどれる仕組み)を運用しています。特約店だけで流通・販売していることとあわせて、蔵から飲み手までの道筋を管理しようとする姿勢がうかがえます。

Information黒龍酒造の基本情報(所在地・公式サイト・見学)
黒龍酒造の本社は、福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38にあります。もう一つの拠点「兼定島 酒造りの里」は、永平寺町松岡兼定島11-58にあります。商品や会社の最新情報は、公式サイト(https://www.kokuryu.co.jp/)で確認できます。
酒蔵は観光向けに設計されておらず、危険な箇所も多いため、蔵見学は受け付けていません。黒龍の世界に触れたい方は、グループの石田屋二左衛門株式会社が2022年6月に開いた複合施設「ESHIKOTO」を訪ねることができます。施設は永平寺町下浄法寺にあり、中に「石田屋 ESHIKOTO店」があります。
ESHIKOTOに行く前には、ESHIKOTO公式サイトの「VISIT」ページで最新情報を確かめるよう案内されています。また、黒龍の商品は特約店だけで流通・販売していて、蔵元からの直接の小売や通信販売は行っていません。購入するときは、近くの特約店に問い合わせてください。
- 銘柄名:黒龍(こくりゅう/KOKURYU)
- 造り手:黒龍酒造株式会社
- 本社:福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38
- 兼定島 酒造りの里:福井県吉田郡永平寺町松岡兼定島11-58
- 創業:1804年(文化元年)
- 公式サイト:https://www.kokuryu.co.jp/
- 蔵見学:受け付けていない
- 関連施設:ESHIKOTO(石田屋 ESHIKOTO店/永平寺町下浄法寺)
- 購入:特約店のみ(蔵元からの直接小売・通信販売はなし)
公式サイト:https://www.kokuryu.co.jp/
FAQ黒龍のよくある質問
黒龍の読み方は?どこのお酒で、九頭龍とはどう違うのですか?
黒龍は「こくりゅう」と読みます。福井県吉田郡永平寺町の黒龍酒造株式会社が造る日本酒です。銘柄名は九頭竜川の古い名前「黒龍川」にちなんでおり、九頭竜川は蔵が仕込み水に使う伏流水のもとになっている川の名前です。「九頭龍」という名前の商品については、特約店か黒龍酒造の公式サイトで確認してください。
黒龍の味の特徴とおすすめの銘柄は?
蔵は「黒龍 大吟醸」を、ふくよかな香りと透明な喉ごしと表現しています。初めての方は、1975年発売のロングセラー「黒龍 大吟醸 龍」か、福井県産五百万石を使った定番の「いっちょらい」(吟醸・純吟)から試すと、黒龍の基本の味がつかみやすいでしょう。特別な一本を探している方には、純米大吟醸を低温で熟成させた限定品「黒龍 石田屋」があります。
石田屋・二左衛門・しずくなど限定品の違いと発売時期は?
「石田屋」は純米大吟醸を低温で熟成させたもの、「二左衛門」は独自の方法で熟成させた純米大吟醸、「しずく」は山田錦をじっくり低温で発酵させた大吟醸です。3つとも兵庫県東条産山田錦を精米歩合35%で使った限定品です。ほかに純米大吟醸の生酒「火いら寿」と、年に一度醸す「八十八号」があります。季節が示されているのは冬の「さかほまれ」と春の「吟風」で、そのほかの限定品の発売時期は特約店に問い合わせてください。
黒龍はどこで買えますか?通販はありますか?
黒龍の商品は特約店だけで流通・販売しています。蔵元からの直接の小売や通信販売は行っていないため、購入は近くの特約店に問い合わせてください。王冠・キャップや化粧箱には2次元コードとRFIDが付いていて、流通経路をたどれる仕組みが運用されています。
黒龍のおすすめの飲み方・温度と保存方法は?
公式サイトでは、各商品の飲み方として「冷やして」を勧めています。生酒は冷蔵で製造年月から3ヶ月以内に飲むよう勧めており、火入れ酒は冷蔵保存で製造年月から6ヶ月を品質保持期間としています。開栓後は冷蔵庫に入れ、できるだけ早く飲んでください。ヴィンテージ表示のある商品を6ヶ月以上熟成させる場合は、-5℃〜0℃の氷温®での保管を勧めています。
黒龍酒造の蔵見学はできますか?ESHIKOTOとは?
酒蔵は観光向けに設計されておらず危険な箇所も多いため、蔵見学は受け付けていません。代わりに、グループの石田屋二左衛門株式会社が2022年6月に開いた複合施設「ESHIKOTO」(永平寺町下浄法寺)を訪ねることができます。お酒を核に福井や北陸の文化を発信する施設で、中に「石田屋 ESHIKOTO店」があります。行く前には、ESHIKOTO公式サイトの「VISIT」ページで最新情報を確認してください。
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