あら玉(aratama)

目次

Brand Introductionあら玉の特徴と味わい

あら玉(あらたま)は、山形県西村山郡河北町の和田酒造合資会社が造る日本酒の銘柄です。寛政9年(1797年)創業の蔵が、万年雪を頂く月山の伏流水と山形県産の酒米を中心に仕込んでいます。

定番は、蔵の周辺で育つ酒米「改良信交」を使った純米酒です。米のしっかりした味わいと、後味のキレのよさが特徴です。蔵は年間約600石の少量生産で、出荷の約8割が山形県内向けという、地元で多く飲まれている酒です。

この記事では、あら玉の読み方と味わいの傾向、おすすめの商品、燗酒としての楽しみ方、受賞歴、造り手の和田酒造について、蔵の公式情報をもとにまとめます。お酒は20歳になってから、適量を楽しんでください。

「あら玉」は「あらたま」と読みます。山形県河北町の和田酒造合資会社が造る主要銘柄で、蔵はもう一つの主要銘柄として「月山丸」も手がけています。このほか「啓翁桜」「和田屋」といった銘柄も造っています。

あら玉の味わいを知る手がかりになるのが、商品ごとに公表されている日本酒度です。日本酒度は甘辛の目安になる数値で、プラスが大きいほど辛口、マイナスが大きいほど甘口の傾向があるとされます。あら玉の定番の純米酒2種と、出羽燦々の純米大吟醸はいずれも日本酒度+3です。

蔵は出羽燦々の純米大吟醸を「すっきりしたやや辛口」と説明しています。一方で、雪女神の純米大吟醸は日本酒度-1で、やわらかくきれいな味わいに仕上げられています。あら玉は辛口一辺倒の銘柄ではなく、すっきりとした飲み口を軸にしながら、商品ごとに米の個性を引き出した銘柄といえます。

酸度(酒に含まれる酸の量の目安)は、ここで紹介する5商品とも1.3〜1.5の範囲です。酸が穏やかだと口当たりがなめらかに感じられやすく、甘辛の印象は飲む温度によっても変わります。冷やすとすっきり、温めると米のふくらみが感じやすくなるので、同じ一本を温度を変えて試すのもおすすめです。

味わいの土台には仕込み水があります。和田酒造は月山の伏流水を使っており、軟水のため、きめ細かくやわらかい酒に仕上がると説明しています。あら玉に共通する口当たりのやわらかさは、この水によるところが大きいといえます。

あら玉は少量生産で、出荷の多くが山形県内に向けられています。石(こく)は酒の量を表す昔ながらの単位で、年間約600石という規模は、地域に根ざした小さな蔵の造り方を表しています。

  • 読み方:あらたま
  • 造り手:和田酒造合資会社
  • 産地:山形県西村山郡河北町
  • 主要銘柄:あら玉、月山丸(ほかに啓翁桜、和田屋)

酒造:和田酒造合資会社(山形県)

あら玉(和田酒造合資会社)
画像出典:和田酒造合資会社 公式サイト

Breweryあら玉の造り手・和田酒造合資会社

和田酒造は寛政9年(1797年)の創業です。山形県河北町谷地で、200年以上にわたって酒造りを続けています。

河北町は「雛とべに花の里」として知られる町です。江戸時代には最上川の舟運で紅花が運ばれ、京都の文化が伝わりました。あら玉は、こうした歴史をもつ町で造られている酒です。

蔵は「少量高品質、心の伝わる酒造り」を掲げています。蔵人(酒造りに携わる職人)は全員が地元の人で、地元に愛される酒造りを心がけているとしています。出荷の約8割が県内向けという数字にも、その姿勢が表れています。

鑑評会での実績も重ねています。蔵によると、全国新酒鑑評会(その年に造られた新酒の出来を審査する全国規模の鑑評会)での金賞は、平成に16回、令和に3回の計19回です。東北清酒鑑評会では、令和元年に最優秀賞、令和3年に審査員特別賞を受けています。

商品単位でも、国内外のコンテストで評価を受けています。主な受賞は下の一覧と、後述の「代表的な商品」にまとめました。

  • 全国新酒鑑評会 金賞:平成16回・令和3回の計19回(蔵による)
  • 東北清酒鑑評会:令和元年 最優秀賞、令和3年 審査員特別賞
  • 大吟醸 名刀 月山丸:令和2酒造年度 全国新酒鑑評会 金賞、令和元年 東北清酒鑑評会 吟醸酒の部 最優秀賞
  • 雪女神 純米大吟醸 あら玉:KURA MASTER 2019 純米大吟醸部門 プラチナ賞、IWC2019 SAKE 純米大吟醸の部 Silver など
  • 出羽燦々 純米大吟醸 あら玉:IWC2018 SAKE 純米大吟醸の部 Bronze、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2016 メイン部門 最高金賞、燗酒コンテスト2026 プレミアムぬる燗部門 金賞 など
  • 出羽の里 純米 あら玉:全国燗酒コンテスト2019・2021 お値打ち燗酒ぬる燗部門 金賞、スローフードジャパン燗酒コンテスト2015 同部門 最高金賞

Ingredientsあら玉の原料米と仕込み水

1.改良信交

  • 蔵の周辺の肥沃な土地で育つ酒米です。丈が高くて育てにくい一方、酒質は最高だと蔵は説明しています。定番の「改良信交 純米 あら玉」に100%使っています。

2.出羽燦々・雪女神・出羽の里

  • いずれも山形県産の酒米で、それぞれ同じ名前の商品に100%使っています。雪女神は山形県が開発した酒米で、純米大吟醸に使われています。

3.月山の伏流水

  • 万年雪を頂く月山の伏流水を仕込み水に使っています。軟水で、きめ細かくやわらかい酒に仕上がると蔵は説明しています。

Featured Lineupあら玉の代表的なラインナップ

1.改良信交 純米 あら玉

  • 改良信交100%、精米歩合60%、アルコール分15度以上16度未満、日本酒度+3、酸度1.5。米のしっかりした味わいと後味のキレのよさが特徴で、蔵は「あら玉の定番」としています。冷や・常温・ぬる燗のいずれでも勧められています。

2.出羽の里 純米 あら玉

  • 出羽の里100%、精米歩合68%、アルコール分15度以上16度未満、日本酒度+3、酸度1.5。雑味のないすっきりした味わいです。全国燗酒コンテスト2019・2021 お値打ち燗酒ぬる燗部門で金賞、スローフードジャパン燗酒コンテスト2015 同部門で最高金賞を受けています。

3.出羽燦々 純米大吟醸 あら玉

  • 出羽燦々100%、精米歩合40%、アルコール分15度以上16度未満、日本酒度+3、酸度1.4。上品な香りときれいな味わいで、出羽燦々らしいやわらかさがある、すっきりしたやや辛口です。IWC2018 SAKE 純米大吟醸の部 Bronze、燗酒コンテスト2026 プレミアムぬる燗部門 金賞などを受けています。

4.雪女神 純米大吟醸 あら玉

  • 山形県が開発した酒米・雪女神を100%使用。精米歩合40%、アルコール分15度、日本酒度-1、酸度1.4。上品な香りと、やわらかくきれいな味わいです。KURA MASTER 2019 純米大吟醸部門 プラチナ賞、IWC2019 SAKE 純米大吟醸の部 Silverなどを受けています。

5.大吟醸 名刀 月山丸

  • 山田錦100%、精米歩合35%、アルコール分16度以上17度未満、日本酒度+1、酸度1.3。すべて手造りで、上品な香りと豊かな味わい、切れ味があります。令和2酒造年度 全国新酒鑑評会 金賞、令和元年 東北清酒鑑評会 吟醸酒の部 最優秀賞を受けています。
あら玉のラインナップ
画像出典:和田酒造合資会社 公式サイト

Tasting Notesあら玉の味わい

あら玉は、すっきりとした飲み口とやわらかな口当たりが軸の日本酒です。定番の改良信交の純米は米のしっかりした味わいと後味のキレ、出羽の里の純米は雑味のないすっきりした味わいが特徴です。純米大吟醸は上品な香りときれいな味わいで、出羽燦々は「すっきりしたやや辛口」、雪女神(日本酒度-1)はよりやわらかな印象です。ここで紹介した5商品のうち4商品が日本酒度+1〜+3で、甘口よりはすっきり寄りの銘柄といえます。月山の伏流水(軟水)による、きめ細かくやわらかい酒質が全体に共通しています。

How to Enjoyおすすめの楽しみ方

蔵は、改良信交の純米と出羽の里の純米を、冷や・常温・ぬる燗のいずれでも勧めています。ぬる燗とは、人肌より少し温かい程度に温めた燗のことで、米のうまみがふくらみ、角がとれた味わいになりやすい温度帯です。特に出羽の里の純米は、燗酒コンテストのぬる燗部門で金賞を受けており、燗酒から試したい一本です。出羽燦々の純米大吟醸も、燗酒コンテスト2026のプレミアムぬる燗部門で金賞を受けています。一方、大吟醸 名刀 月山丸は、冷やすか常温で勧められており、香りを楽しむならワイングラスのような口の広い器も向いています。燗をつけるときは、徳利ごと湯せんにかけてゆっくり温めると、温度を調整しやすくなります。お酒は20歳になってから。飲むときは水も一緒に用意し、自分のペースで楽しんでください。

Food Pairing相性の良い料理

米のしっかりした味わいとキレがある改良信交の純米は、焼き魚や塩味の焼き鳥、煮物など、日々の和食と合わせやすい一本です。ぬる燗にした出羽の里の純米は、湯豆腐やおでん、山形の芋煮のような温かい汁物と合わせると、酒のやわらかさが料理のだしになじみます。上品な香りの出羽燦々や雪女神の純米大吟醸は、白身魚の刺身やカルパッチョ、塩で食べる天ぷらなど、素材の味を生かした料理がおすすめです。香りと切れ味のある大吟醸 名刀 月山丸は、冷やして食前酒として、または淡い味付けの前菜と一緒に楽しむのも一案です。(料理の組み合わせは当サイトのおすすめです)

Craftsmanshipあら玉の造りのこだわり(改良信交・山形の酒米・月山の水)

あら玉の定番を支えるのが、酒米の「改良信交(かいりょうしんこう)」です。蔵の周辺の肥沃な土地で育つ米で、丈が高く育てにくい一方、酒質は最高だと蔵は説明しています。この米を100%使った純米酒を、蔵は「あら玉の定番」としています。

改良信交の純米酒は精米歩合60%です。精米歩合とは、玄米を削って残った部分の割合のことで、数値が小さいほど多く削っています。米をほどよく残すことで、米のしっかりした味わいを引き出し、後味はキレよくまとめています。

改良信交のほかにも、山形県産の酒米を使い分けています。出羽燦々(でわさんさん)、雪女神(ゆきめがみ)、出羽の里(でわのさと)の3種で、それぞれ同じ名前の商品に100%使っています。雪女神は山形県が開発した酒米です。

米の磨き方も商品によって違います。出羽の里の純米は精米歩合68%、出羽燦々と雪女神の純米大吟醸は40%です。純米酒は米と米麹と水だけで造る酒で、純米大吟醸はその中でも米をよく磨き、吟醸造りと呼ばれる低温でじっくり発酵させる方法で仕込んだものです。

銘柄「月山丸」の大吟醸 名刀 月山丸は、山田錦を100%使い、精米歩合35%まで磨いています。すべて手造りで、上品な香りと豊かな味わい、切れ味があると蔵は説明しています。

仕込み水は、万年雪を頂く月山の伏流水です。伏流水とは、雪解け水などが地中にしみ込み、地下を流れてきた水のことです。軟水で、きめ細かくやわらかい酒になると蔵は説明しています。

  • 改良信交:蔵周辺で育つ酒米。定番の純米酒に使用
  • 出羽燦々・雪女神・出羽の里:山形県産の酒米。同名の商品に100%使用
  • 山田錦:大吟醸 名刀 月山丸に100%使用
  • 仕込み水:月山の伏流水(軟水)
和田酒造合資会社の造り
画像出典:和田酒造合資会社 公式サイト

Informationあら玉の基本情報(和田酒造の所在地・公式サイト)

和田酒造合資会社の所在地は、山形県西村山郡河北町谷地甲17です。商品の詳しい仕様や蔵の紹介は、公式サイト(https://aratama-wada.com/)に掲載されています。

蔵見学の受け入れや直売所の有無、営業日については、取材時点で確認できていません。訪問を考えている場合は、公式サイトで最新の案内を確かめるか、蔵に問い合わせてから出かけてください。

あら玉は出荷の約8割が山形県内向けで、県内での流通が中心の銘柄です。県外で探す場合は、公式サイトで取扱店やオンライン販売の案内を確認するのが確実です。

  • 蔵元:和田酒造合資会社
  • 所在地:山形県西村山郡河北町谷地甲17
  • 創業:寛政9年(1797年)
  • 公式サイト:https://aratama-wada.com/
  • 主要銘柄:あら玉、月山丸

公式サイト:https://aratama-wada.com/

FAQあら玉のよくある質問

「あら玉」の読み方と、どこのお酒か教えてください。

「あらたま」と読みます。山形県西村山郡河北町にある和田酒造合資会社が造る日本酒で、蔵は寛政9年(1797年)創業です。所在地は山形県西村山郡河北町谷地甲17です。

あら玉は辛口ですか?

すっきり寄りの銘柄です。定番の純米酒2種と出羽燦々の純米大吟醸は日本酒度+3で、蔵は出羽燦々の純米大吟醸を「すっきりしたやや辛口」と説明しています。一方、雪女神の純米大吟醸は日本酒度-1で、やわらかくきれいな味わいです。

改良信交とはどんな酒米ですか?

和田酒造の周辺の肥沃な土地で育つ酒米です。丈が高く育てにくい一方、酒質は最高だと蔵は説明しています。この米を100%使った「改良信交 純米 あら玉」を、蔵は「あら玉の定番」としています。

あら玉のおすすめの銘柄は?燗酒に向く商品はありますか?

まず試したいのは定番の「改良信交 純米 あら玉」です。燗酒なら、全国燗酒コンテストのぬる燗部門で金賞を受けた「出羽の里 純米 あら玉」が向いています。香りを楽しむなら「出羽燦々」「雪女神」の純米大吟醸、贈り物などには手造りの「大吟醸 名刀 月山丸」も候補になります。

あら玉や和田酒造の受賞歴を教えてください。

蔵によると、全国新酒鑑評会での金賞は平成に16回、令和に3回の計19回です。東北清酒鑑評会では令和元年に最優秀賞、令和3年に審査員特別賞を受けています。商品ではKURA MASTER 2019 プラチナ賞(雪女神 純米大吟醸)やIWCでの入賞、燗酒コンテストでの金賞などがあります。

あら玉はどこで買えますか?蔵へのアクセスは?

出荷の約8割が山形県内向けで、県内での流通が中心です。県外で探す場合は、公式サイト(https://aratama-wada.com/)で取扱店やオンライン販売の案内を確認してください。蔵の所在地は山形県西村山郡河北町谷地甲17ですが、見学や直売の有無は取材時点で確認できていないため、訪問前に公式サイトか蔵に確かめることをおすすめします。

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